世界一を決める白熱の戦いは、観衆10,231人が見守る中、2回のオーバータイムの末に決着がついた。7月15日、等々力陸上競技場で行われた第3回アメリカンフットボールワールドカップ決勝は、本場の威信を掛けて初参戦に名乗りを上げたアメリカ(第2ブロック1位)が、23対20で日本(第1ブロック1位)の三連覇を阻み、初の栄冠を勝ち取った。 いきなりの先制パンチだった。自陣20ヤードから始まった日本の攻撃第1プレーで、先発QB高田鉄男が投じたパスをSFケニー・チコインがインターセプト。敵陣15ヤードからの攻撃権を得たアメリカが、開始僅か2分57秒でRBカイル・カスパーバウアーのランで先制TDを奪った。 先行を許した日本は、モーションを多用しフィールドの左右にプレーを散らした攻撃を展開。3度目の攻撃シリーズでRB古谷拓也のランを軸に着実にドライブし、敵陣2ヤードに攻め入ると、第2Q1分9秒、IフォーメーションのTEの位置に入ったDL紀平充則へQB冨澤優一がTDパスをヒットさせて同点に追いついた。 |
アメリカは第3Q7分42秒にKクレッグ・コフィンの35ヤードFGで試合を振り出し戻したが、日本は第4Q4分53秒、QB冨澤がTE黛拓郎へTDパスをヒットさせて再びリードを奪った。 しかし、ここからアメリカが本場の底力を見せた。「体格差や強いヒットが、徐々にボディブローの様に効いてきた」と主将DL脇坂康生は試合後に明かしたが、アメリカが力強いランプレーでじりじりと前進。自陣20ヤードから11プレーを費やしたドライブを、9分9秒、RBカスパーバウアーの5ヤードTDランで締めくくり、勝負はタイブレークシステムによるオーバータイムにもつれ込んだ。 |
「これまでの日本の戦いを見て、厳しい試合になると思っていた。試合を通して全員が全力を尽くした結果」とアメリカ代表ジョン・マコヴィック・ヘッドコーチは、チーム一丸となって掴み取った勝利であることを強調し、笑顔を見せた。 「ラインが消耗していてブロックが持たず、FGの蹴りあいになると厳しかった。立ち上がりのターンオーバーと、最後の体力の消耗の差が勝敗を分けた」と森清之攻撃コーディネーター。これまで「一戦一勝」のコメントに終始していた日本代表・阿部敏彰監督だが、「3月からアメリカをターゲットに取り組んできた」と明かし、「世界と戦えることは分かったが、アメリカの伝統とプライドに後一歩及ばなかった」と語った。「凄い声援に支えられて好ゲームが出来た。それに応えたかった」と目を潤ませた主将DL脇坂は、「もっと強いジャパンを作って、次のW杯で優勝を狙いたい」と最後の言葉に力を込めた。 ※タイブレークシステムについて:敵陣25yds地点より両チームに攻撃権が与えられ、勝敗を決める方法。NCAA(全米大学体育協会)で延長戦の際に採用されているシステム。 |











