みなさんは地方競馬に足を運ばれたことはありますか?
華やかでいつも賑わっている中央競馬とは反対に、地方競馬はなんとなく穏やかでのんびりし、中央競馬と違って観客も少ないことから、静かで落ち着いた雰囲気がしてきます。
そんな地方競馬場でも、中央競馬との交流競走や統一G1などが開催されるときは、多くの観客が詰めかけて、馬券を購入していきますが、時々こんな声をよく耳にします。
「中央競馬の予想はできるけど、地方競馬は見たことないから予想ができない」
たしかに中央競馬をよく見る人にとって、勝手がわからない地方競馬の予想は簡単ではないですし、なにより開催形態が中央と全く違うのですから、予想できなくて当たり前です。
ならばせっかくの機会です!
地方競馬の予想の仕方というものを覚えてみませんか?
中央競馬とはひと味もふた味も違う、それこそ昔は「草競馬」などと呼ばれた地方競馬も、観客と騎手・競走馬の距離が近いこともあって、見ていて楽しいものがあります。
ぜひ地方競馬の予想の仕方を覚え、積極的に地方競馬場に足を運んで、独特の雰囲気を味わっていただきたいです。
ではこれから、地方競馬の予想の仕方について、ご紹介していきます。
どうか最後までお付き合いください。
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地方競馬はダートが主体
最初に大前提として、これを強調しておきます。
「地方競馬はダートが主体!芝のレースは数えるほどしかない」
唯一、岩手県の盛岡競馬場に芝コースがありますが、こちらは中央競馬との交流競走や中央競馬の重賞出走へのステップレースに使われる程度です。
またひとくちにダートと言っても、中央競馬のダートとは傾向も違います。
中央競馬の場合は砂の厚さが9センチに統一されているのに対し、地方競馬の場合は統一基準がないことから、同じ地方の競馬場同士で砂厚が5〜6センチも違うことがあるようです。
たとえば海辺に近い大井競馬場は、風で砂が流されることを考慮して砂厚を8センチとしているのに対し、南国高知競馬場は最大14センチの厚さにしていることがあるとか。
あと地方競馬の場合は、コースの内側を多少砂厚気味にしているそうです。
風が吹いたときに砂が外に行って、全体の厚さを調節させる役割を果たしたり、内側を重くさせないと、インの経済コースを通った馬ばかり有利になるからとか。
このことから地方競馬の砂は、中央競馬と比べて重いものがあり、中央のダートで活躍したからといって、地方でも即通用するというわけではなさそうですね。
加えてダートが主体ということは、追い込み馬より先行馬が有利と言えるでしょう。
人間が砂の上を走ってみるとわかりますが、砂場はただでさえ足を取られて早く動くことができず、後ろから前の馬を追いかけたら、追いつくのは簡単ではありません。
雨が降って砂場が固まれば、後ろから追い込む馬にもチャンスは有るでしょうが、基本的には乾いた砂の中に足を入れると思うように動けず、逃げ馬を捕まえるのは至難の業でしょう。
そういう点も踏まえて、地方競馬場では先行できる馬を積極的に狙いたいですね。
事前準備が肝心!競馬場ごとの特性をつかもう
地方の競馬場は全国で14ありますが、中央の競馬場と違って1周が何百メートルもあるわけではなく、むしろコンパクトな作りになっていると認識していただきたいです。
また中央の競馬場のように、最後の直線に心臓破りの坂があって、ゴール板前の攻防が激しいというわけでもありません。
むしろ直線は坂もない平坦な道で、いわゆる「行った行った」の決着になることも多く、逃げ・先行馬が押し切る結果になることも少なくないでしょう。
そうした点を踏まえ、事前に参戦する地方競馬場の特性を調べて、かつ傾向を把握しておき、馬券合戦に参加することをおすすめしたいです。
では競馬場の特性や傾向について、各地区ごとにご紹介します。
(各競馬場の代表的なレースの距離は、特に断りがない場合を除いて、ダートを意味します)
ホッカイドウ競馬
帯広競馬場(右→左)
・ばんえい競馬専用競馬場で、200メートルの直線コースに障害が2つある。
・障害の高さは、最初が1メートル、次が1.6メートルと結構高い。
・ソリの後端まで入線してゴールインと認められるため、直線の攻防が激化する。
門別競馬場(右回り)
・1周1600メートルで直線330メートル、大井競馬に続いて地方では2番目に直線が長い。
・砂厚は12センチと地方競馬では厚い部類に入り、かつ馬場は重め。
・1000メートル戦等の短距離戦では内枠有利、1600メートル以上では外枠が有利。
・代表的なレース:ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3。2300メートル。毎年8月に開催)
岩手公営
盛岡競馬場(左回り)
・1周1600メートルで直線300メートル、地方競馬で唯一直線に急な上り坂がある。
・砂厚は11センチと重めで、上り坂もあって出走馬はパワーを要求される。
・道中は高低差4メートルとかなりハードで、中距離戦になると差し馬が台頭する。
・代表的なレース:南部杯(Jpn1。1600メートル。毎年10月に開催)
水沢競馬場(右回り)
・1周1200メートルで直線200メートルと小回りなコースで、坂はまったくない。
・砂厚は11センチと重めで、坂がないことから完全に先行有利の馬場。
・特に距離850メートルの超短距離戦では、追い込み馬が台頭する余地はない。
・代表的なレース:桐花賞(M1。2000メートル。近年は毎年12月31日に開催)
南関東公営
大井競馬場(両回り)
・1周1600メートルで直線400メートルと地方競馬で最長のコース。
・砂厚は8センチと軽めながら、天候によって馬場の傾向が変わりやすく、海風も強い。
・枠順の有利不利はないが、先行と追込の有利不利も定かでなく、当日の様子で判断したい。
・代表的なレース:東京大賞典(G1。2000メートル。毎年12月29日に開催)
川崎競馬場(左回り)
・1周1200メートルで直線300メートル、コーナーリングが非常にキツい。
・砂厚は8.5センチと軽めなため、内枠に入った先行馬に有利に働きやすい。
・騎手の巧拙が結果に大きく反映するため、ベテラン騎手を狙い撃ちしたい。
・代表的なレース:川崎記念(Jpn1。2100メートル。毎年1月末〜2月初旬に開催)
船橋競馬場(左回り)
・1周1400メートルで直線308メートル、コーナーはスパイラルで徐々にきつくなる。
・砂厚は9センチで中央競馬と同じ、内外で有利不利にならない工夫が凝らされている。
・スパイラルカーブで馬群がバラける分、差し・追い込みが決まりやすい。
・代表的なレース:かしわ記念(Jpn1。1600メートル。毎年5月初旬に開催)
浦和競馬場(左回り)
・1周1200メートルで直線200メートル、南関東の中で一番小回りなコース。
・砂厚も10センチと重めで、先行馬が圧倒的に有利。差し・追込馬には厳しい馬場。
・特に1600メートル戦の場合、スタート後に急カーブがあるため、尚更内枠有利に働く。
・代表的なレース:さきたま杯(Jpn2。1400メートル。毎年5月下旬〜6月初旬に開催)
※2024[令和6]年からJpn1に昇格の予定。
東海公営
名古屋競馬場(右回り)
・1周1180メートルで直線240メートル、2022(令和4)年に移転した新しい競馬場。
・移転したばかりなので砂厚は不明。スタート地点のある3〜4角はスパイラルカーブに。
・現状は先行馬有利も、直線が以前と比べて長くなり、追込勢も台頭しつつある。
・代表的なレース:名古屋グランプリ(Jpn2。2100メートル。毎年12月末に開催)
※2024(令和6)年から、5月に開催時期を変更予定。
笠松競馬場(右回り)
・1周1180メートルで直線238メートル、小回り馬場のため、逃げ先行型が圧倒的に有利。
・砂厚は9センチと平均的で、向正面の緩やかな下り坂で勢いを付けて逃げ切ることが可能。
・外枠がやや有利な傾向にあり、人気馬が外枠に入れば鉄板と考えて問題なし。
・代表的なレース:オグリキャップ記念(SP1。2500メートル。毎年4月末に開催)
兵庫公営
園田競馬場(右回り)
・1周1051メートルで直線213メートル、小回り馬場であり、逃げ先行型の馬が有利。
・砂厚は11〜12センチと厚く、これだけでも追込型の馬には不利なデータとなる。
・一番距離の短い820メートル戦は1,2,8枠が有利で、1400メートル戦は8枠が有利。
・代表的なレース:兵庫チャンピオンシップ(Jpn2。1870メートル。毎年5月上旬に開催)
※2024(令和6)年から距離を1400メートルに短縮予定。
姫路競馬場(右回り)
・1周1200メートルで直線230メートル、コーナーワークがキツく、追込馬には不利。
・砂厚も11センチと厚いことや、平坦なコースでもあり、先行馬有利になりやすい。
・年間開催数が少なく、傾向を掴みにくいため、地元騎手から狙うのが無難といえる。
・代表的なレース:兵庫ウインターカップ(重賞1。1400メートル。毎年2月下旬に開催)
その他の公営
金沢競馬場(右回り)
・1周1200メートルで直線236メートル、坂もなく小回りな平均的なコース。
・砂厚は10センチと重めで、かつ平坦な馬場のため、ここも先行馬に圧倒的に有利。
・先行争いが激しく、他場からの参加が少ないため、地元のベテラン騎手を狙いたい。
・代表的なレース:白山大賞典(Jpn3。2100メートル。毎年10月上旬に開催)
高知競馬場(右回り)
・1周1100メートルで直線200メートル、直線が短い分だけ先行馬に有利な形。
・ただし向正面から3〜4角付近にかけてまくりやすい馬場で、追込馬の台頭もある。
・内側は砂厚が11〜14センチあって結構重く、外側を走る馬に有利な馬場となっている。
・代表的なレース:黒船賞(Jpn3。1400メートル。毎年3月中旬に開催)
佐賀競馬場
・1周1100メートルで直線250メートル、直線には緩い下り坂があり、先行馬には有利。
・砂厚は9センチで平均的ながら、内側が極端に厚く、各馬とも外を回って走る。
・コーナーもキツめにできており、騎手の手腕が試される馬場といえる。
・代表的なレース:佐賀記念(Jpn3。2000メートル。毎年2月上旬に開催)
このように、各競馬場ごとに特徴が大きく違っており、まずは参戦しようとする競馬場の傾向などを調べておく必要があります。
馬場の傾向や特徴も調べないで馬券を買いますと、闇雲に資金を突っ込むだけで、軍資金が消えていくスピードが早まるだけです。
事前の準備は怠らないようにしたいですね。
勝てるヤツに乗れ!騎手ランキングにも注意
先程も書きましたが、コーナーリングなどがキツい馬場ですと、最後は騎手の腕が勝負を左右すると言えるでしょう。
騎手ランキングを見てみると、どの騎手が調子が良さそうで、かつどの騎手が調子が悪そうかよくわかるというものです。
ここでは各競馬場別に、それぞれ実績を挙げている騎手のランキング(2022年度)をご紹介して、どの騎手を信じればいいのか、見ていただこうと思います。
帯広(ばんえい競馬)
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
鈴木恵介 |
198 |
2位 |
阿部武臣 |
138 |
3位 |
菊池一樹 |
136 |
4位 |
渡来心路 |
128 |
5位 |
西 将太 |
120 |
門別
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
落合玄太 |
137 |
2位 |
桑村真明 |
113 |
3位 |
石川 倭 |
94 |
4位 |
服部茂史 |
92 |
5位 |
五十嵐冬樹 |
83 |
盛岡
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
山本聡哉 |
115 |
2位 |
村上 忍 |
97 |
3位 |
山本政聡 |
94 |
4位 |
高橋 亮 |
68 |
5位 |
高橋悠里 |
66 |
水沢
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
山本聡哉 |
96 |
2位 |
村上 忍 |
87 |
3位 |
山本政聡 |
74 |
4位 |
高橋 亮 |
61 |
5位 |
高橋悠里 |
51 |
大井
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
矢野貴之 |
141 |
2位 |
笹川 翼 |
109 |
3位 |
森 泰斗 |
88 |
4位 |
和田譲治 |
87 |
5位 |
達城龍次 |
61 |
川崎
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
森 泰斗 |
72 |
2位 |
山崎誠士 |
70 |
3位 |
町田直希 |
63 |
4位 |
矢野貴之 |
53 |
5位 |
笹川 翼 |
49 |
船橋
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
森 泰斗 |
72 |
2位 |
山崎誠士 |
70 |
3位 |
町田直希 |
63 |
4位 |
矢野貴之 |
53 |
5位 |
笹川 翼 |
49 |
浦和
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
森 泰斗 |
69 |
2位 |
和田譲治 |
60 |
3位 |
笹川 翼 |
45 |
4位 |
福原 杏 |
43 |
5位 |
本橋孝太 |
34 |
名古屋
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
岡部 誠 |
219 |
2位 |
今井貴大 |
119 |
3位 |
大畑雅章 |
112 |
4位 |
加藤聡一 |
111 |
4位 |
丸野勝虎 |
111 |
笠松
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
渡辺竜也 |
164 |
2位 |
松本剛志 |
90 |
3位 |
藤原幹生 |
82 |
4位 |
岡部 誠 |
78 |
5位 |
向山 牧 |
63 |
金沢
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
青柳正義 |
120 |
2位 |
藤田弘治 |
112 |
3位 |
吉原寛人 |
82 |
4位 |
中島龍也 |
76 |
5位 |
栗原大河 |
71 |
園田
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
吉村智洋 |
300 |
2位 |
下原 理 |
190 |
3位 |
田中 学 |
146 |
4位 |
広瀬 航 |
115 |
5位 |
笹田知宏 |
77 |
姫路
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
吉村智洋 |
43 |
2位 |
田中 学 |
30 |
3位 |
下原 理 |
20 |
3位 |
広瀬 航 |
20 |
5位 |
杉浦健太 |
12 |
高知
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
宮川 実 |
136 |
2位 |
赤岡修次 |
120 |
3位 |
永森大智 |
73 |
3位 |
郷間勇太 |
71 |
5位 |
岡村卓弥 |
70 |
佐賀
順位 |
名前 |
勝利数 |
1位 |
山口 勲 |
148 |
2位 |
石川慎将 |
131 |
3位 |
飛田愛斗 |
115 |
3位 |
竹吉 徹 |
95 |
5位 |
山下裕貴 |
82 |
中央競馬に参戦している騎手の名前も多く出ており、どの競馬場も実力派揃いですね。
特に南関東の森泰斗騎手は、大井こそ3位に終わりましたが、ほかの南関東3場を見てみると、地元の船橋をはじめとして、すべて1位というのには驚かされました。
こういった勢いは、そんなに早く衰えるとは思いません。
この調子で2023年も勝ちまくるのではないでしょうか?
やはり調子に乗れている騎手から馬券を買うのが、一番無難と言えますね。
難しければ予想サイトに頼るのもアリ
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まとめ
以上「地方競馬の予想の仕方」についてご紹介してきました。
今回の記事をまとめると、以下のとおりとなります。
まとめ
・地方競馬はダートが中心、先行しないと勝てない所が多いので、先行馬を積極的に狙え。
・開催されている競馬場の特性をよく調べて、頭に入れてから勝負に臨むべし。
・どの騎手がどの競馬場を得意にしているのか?競馬場ごとのランキングも調べておくこと。
・参考のために、場内で営業している予想屋さんの専門的な考えを見てみるのも一手。
最初は新聞だけでなく、ありとあらゆる要素を使って情報を仕入れ、活用してみましょう。
それを繰り返すことで、自信を持って自分で予想できるようになりますから。
積極的に足を運んで、中央競馬とはまた違った魅力を楽しんでみてくださいね!