競馬で儲ける方法…と言っても、なかなかピンとこないものです。
所詮はギャンブルであって、的中してもそうそう儲かるものではないと世間ではよく言われますが、本当でしょうか?
ここでは馬券で儲かる方法として、的中馬券を次のレースに「転がす」方法を紹介します。
その馬券を転がす券種として「複勝」を取り上げます。
なぜ複勝がいいのか?
なぜ地方競馬でやるのがいいのか?
そしてどうやったら上手く転がせるのか?
こうした点について説明し、実際に自分自身でも馬券を転がしてみた結果を紹介しますので、最後までどうかお付き合いください。
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なぜ地方競馬で馬券転がしをすすめるのか?
最初に、地方競馬で馬券転がしをすすめる理由について説明します。
地方競馬は配当が大荒れしないことで知られているから
地方競馬で馬券転がしをおすすめする理由はこれです。
地方競馬は、基本的に出走頭数が少ないため(一部競馬場を除いて最大12頭立て)、人気馬や有力騎手が乗る馬に人気が集中しやすく、結果的に配当も落ち着くようです。
馬券参加者が多くて、数々の思惑が動きやすい大井競馬場などは別としても、そのほかの競馬場では、多少配当が荒れるにしても、大きく荒れることはないようです。
多くのファンを集め、大きい金額が動いている中央競馬と違って、地方競馬はそこまで大きい規模で運営されているわけではありませんので、配当も自然と落ち着くのかもしれません。
ということは、配当こそあまり期待できませんが、手堅く馬券を転がして利益を作るには、地方競馬はうってつけということが言えます。
なぜ複勝がいいのかという理由
なぜ複勝がいいのか?
理由は、この2点に集約されています。
複勝が良い理由
・1着から3着までに入れば的中だから(的中範囲が広い)
・連勝式と違って、1頭だけ注目していればいいから
1着に入らなくても、最悪3着までに入れば馬券的中という、的中条件が非常にゆるいために、初心者などには手軽に購入しやすい馬券として知られています。
その分だけ高額な配当は期待できませんが、手堅く馬券を転がして、利益を作っていくという意味では、複勝馬券が一番理にかなっているということが言えるでしょう。
また複勝馬券の場合、自分が購入した馬だけに注目していればいいのであって、馬単や3連単のような連勝式馬券のように、ほかの馬を気にする必要がなく、安心して見ていられます。
そういった意味においても複勝馬券は気軽に手を出しやすいですし、運用という意味においても手堅く利用できる馬券ということが言えます。
参考までに、2022年1月1日から12月31日の各地方競馬場における、1番人気馬の1着率、連対率、3着内率を列挙します。
競馬場 |
1着率 |
連対率 |
3着内率 |
門別 |
45.5% |
66.3% |
77.8% |
盛岡 |
47.3% |
65.2% |
76.0% |
水沢 |
41.7% |
61.9% |
74.0% |
浦和 |
41.3% |
60.7% |
73.2% |
船橋 |
36.7% |
57.3% |
70.4% |
大井 |
38.7% |
58.6% |
69.6% |
川崎 |
39.9% |
61.1% |
71.8% |
金沢 |
49.4% |
67.1% |
79.2% |
笠松 |
44.7% |
66.5% |
77.7% |
名古屋 |
42.6% |
59.7% |
71.6% |
園田 |
43.9% |
63.8% |
75.3% |
姫路 |
47.6% |
62.7% |
76.2% |
高知 |
47.3% |
66.8% |
77.8% |
佐賀 |
44.7% |
61.4% |
73.7% |
※帯広競馬場(ばんえい競馬)は、ほかの競馬場と内容が違うためここでは割愛。
引用元:楽天競馬「データ分析」
こうして見てみると、金沢競馬場が一番手堅い競馬場ということが言えるでしょう。
一方で、3大都市圏にある南関東4競馬場などは、軒並み数字を落としています。
やはり馬券参加者が多い分だけいろいろな思惑が働いて、その分だけ波乱が起こりやすいのかもしれません。
ちなみに中央競馬の場合、これらのデータから軒並み10%程度数字が低めであるとも言われていますので、やはり地方競馬のほうが手堅く運用できると言えるでしょう。
「馬券を転がす」とはどういうこと?
ではよく言われる「馬券を転がす」とはどういう意味なのでしょうか?
これは馬券を買って的中した金額を、次のレースでそっくりそのまま注ぎ込むことです。
たとえば複勝を1,000円買って1,700円の配当金が出たら、次に馬券を買うときに、1,700円をそのまま別の複勝馬券を購入することです。
一般的には的中率が高いとされている複勝を使って馬券転がしを行う人が多いことから、これを「複勝転がし」と呼んでいます。
イメージとしては、こんな感じです(例:毎レース1.7倍の馬券を1万円ずつ買い続ける)。
1R |
17,000 |
2R |
28,900 |
3R |
49,130 |
4R |
83,500 |
5R |
141,950 |
6R |
241,280 |
7R |
410,120 |
8R |
697,190 |
9R |
1,185,160 |
10R |
2,014,730 |
11R |
2,619,140 |
12R |
4,452,510 |
まさに「わらしべ長者」を見ているような気分にさせられますね。
現実的にここまでうまくいくとは考えられませんが、本当にうまくいった場合は、1万円が400万円に化けるという、夢のような話になるわけです。
もちろん別の馬券を使って転がしている人もいますが、単に複勝の方が当たりやすいということで、ここでは複勝を使った事例を紹介しました。
馬券転がしのメリットとデメリット
次に「馬券転がし」のメリットとデメリットについて紹介します。
「馬券転がし」のメリット
1つ目は、馬券転がしで利益が溶けても、元金が減ることはないという点です。
一例として、小説家で元競馬評論家の赤木駿介氏の「馬券転がし」をご紹介します。
赤木氏と、直木賞作家の山口瞳氏が共著した『日本競馬論序説』(新潮文庫・1991年)の中で山口氏がこう説明されています(26ページから27ページ部分。以下、原文ママ)。
赤木駿介さんは、馬券は千円しか買わない。
仮りに、その馬の単勝式の馬券が適中して、配当が九倍であったとする。
それで得た九千円は実は千円だと思うことにするんだそうだ。
だから、次のレースに、九千円そっくりつぎこむ。
単勝を三千円、複勝を六千円という買い方をする。
あるいは、すべてを単勝で買ったりする。
そうして、はずれると、また千円からスタートする。
「こうすれば、仮りに十二レース全部買ったとして、それが全部不適中であったとしても、一万二千円の損ですみますからね。
それくらいは仕方がないんじゃないですか。
遊びなんですから」
先程の馬券転がしのシミュレーションですと、もし途中でハズレたら大損をするようなイメージがあったかと思います。
しかし、儲けをそのままつっこんでるだけにすぎませんので、元金自体は減っていません。
先述の馬券転がしも、実は全レースハズしたとしても、12万円の損にすぎないのです。
(とはいえ普通の人が1日12万円も損をしたら大損ではありますが…[苦笑])
2つ目は、的中し続ければ、配当金が増え続けるという点です。
先程のシミュレーションを見てもおわかりかと思いますが、的中を続ければ雪だるま方式にお金が増え続け、まるで倍々ゲームのようになっていくのです。
そして3つ目は、少ない元手から始められるという点です。
馬券はご存知のように100円からスタートできますので、先程のシミュレーションのように大きい金額でなくとも、コツコツやっていけば、少しずつでもお金は増やせます。
要は大きい金額を狙うべく、最初から無理に大金を投じなくても、自分のペースでゆっくりでもお金を増やしていくことができるのです。
手堅いと思って最初から大金を投じ、それで失敗してもうまくありませんからね。
「馬券転がし」のデメリット
では反対に、馬券転がしのデメリットを紹介します。
それは単純明快「的中し続けなければダメなこと」に尽きます。
何はともあれ的中しなければ意味がありませんし、的中を繰り返さない限り、お金が増え続けることはありません。
むしろ的中できなければ、それこそお金をドブに捨てるようなものです。
また、的中を繰り返していたとしても、途中で失敗してしまうと、それまで積み上げてきた儲けはすべて溶けてしまい、パーとなってしまいます。
では、そうならないために、どうすればいいのか?
そのためにはやはり、きちんとした戦略を練ることが大事になります。
その方法については、次章で取り上げます。
上手く馬券を転がす方法
ここでは「馬券転がし」をするに当たってのコツを、いくつか紹介します。
重視すべきは実績と不安要素の少なさ!
馬券を買うにあたって、一番重視されるのはコレでしょう。
いかに人気馬だから大丈夫…などと考えても、そこは競馬。
きちんと検討して、結論を出したいですね。
人気馬だからといって不安要素がないわけではないし、もし仮に不安要素がいくつか出てくるようでしたら、その馬はむしろ切り捨てた方がいいでしょう。
あとは実績が優れている馬…コース実績は言うまでもなく、着順成績、騎手との相性、その他諸々ありますが、そういう馬がいると感じたら、その馬から勝負すべきと考えます。
もっともそういった馬は、たいてい人気上位になっていると相場が決まっていますが…。
自信がなかったら、そのレースは「見(けん)する」
たとえば出走各馬の実力が拮抗していて、混戦模様だというレースの場合。
単勝4倍台など、押し出されて1番人気になった馬がいた場合などがそうですが、馬券参加者は軸となる馬が見つからず、思惑が交錯しているレースだと考えられます。
結局どの馬にも一長一短があって、決め手にかけるということの証ですから、そういったレースは思い切ってスルーし、次のレースまで待つべきでしょう。
どの馬が勝つのか、この馬に不安要素がないのか、非常に不透明でわかりにくいレースに、お金をつぎ込んだところで、失敗するのは目に見えています。
そうしたレースに参加すること自体賢明ではありませんし、レースはほかにいくらでもあるのですから、無理に全レース参加しようとせず、わからないときは見送ることも大事です。
ある程度の利益が出たら、一旦ストップして利益を確保
人間は、儲けが出たらもっと儲けようと考えるもので、その欲には際限がありません。
しかし、勝負事なんていつまでも勝ち続けるものではなくて、下手をすると先程述べたように失敗して儲けを溶かしてしまうこともあります。
そうなって後悔しないように、ある程度の利益が出たら、一旦ストップしてみましょう。
たとえば「3万円利益が出たから、ここで儲けを確保しておこう…」といった具合に。
そして利益を確保しておいて、次はまた最初からやり直すのです。
ある程度の利益自体は確保できていますし、途中で負けて利益を全額パーにすることもありませんから、精神的にも余裕ができ、次のレースも安心して臨めるというものです。
逆に途中で利益を全部パーにしてしまい、また最初から…と考えると、負けた分を次のレースで取り返そうとムキになってしまい、精神衛生上もよろしくありません。
たいていそういった人に限って、無茶な勝負をしてまた負けるのがオチですから。
実際に馬券転がしをしてみる
それでは実証実験として、実際のレースを使って、馬券転がしをしてみました。
今回その実験に利用したのは、2022年度に地方競馬場の中で1着率、連対率、3着内率がすべて1位であった金沢競馬場の、2023年4月25日全レースです。
ここでは、第1レースで1番人気の馬の複勝に10,000円を投資し、その後はその配当金をそっくりそのまま次のレースの1番人気に投じてみました。
レース |
馬番・馬名 |
着順 |
的中 |
配当金 |
結果 |
1R |
4 フリッピ |
2 |
◯ |
110 |
11,000 |
2R |
7 シングンバズーカ |
1 |
◯ |
100 |
11,000 |
3R |
2 フランセス |
1 |
◯ |
120 |
13,200 |
4R |
10 ヴェーチェル |
1 |
◯ |
130 |
17,160 |
5R |
9 エムズジャガー |
2 |
◯ |
110 |
18,870 |
6R |
7 ヒロノランマン |
1 |
◯ |
110 |
20,750 |
7R |
6 レクレールドパリ |
5 |
✕ |
ー |
0 |
8R |
4 ゲンショウ |
2 |
◯ |
140 |
14,000 |
9R |
7 エムオータイショウ |
1 |
◯ |
110 |
15,400 |
10R |
6 ダンスインザスノー |
2 |
◯ |
130 |
20,020 |
11R |
4 トランスナショナル |
1 |
◯ |
130 |
26,020 |
ご覧のように、6Rまでは順調に的中させていたものの、7Rでハズしてしまって、儲けをすべて溶かしてしまいました。
6Rでちょうど1万円儲かっていたのですから、キリのいいところで一度ストップしておくべきでしたね…欲をかきすぎたと反省しています。
気持ちを入れ直して7Rからやり直したところ、幸いなことに連戦連勝で最終レースまで的中を続けることができました。
11Rを終了したところで、回収金額は26,020円。
実質元金として20,000円を出資していますので、差し引き6,020円の儲けとなりました。
この6千円の儲けを、少ないと見るか、そこそこ儲かったと見るか。
考え方は人それぞれかとは思いますが、こうしてマイナスになることなく儲けを出すことができたのですから、少なくとも失敗ではないですよね。
しかし今回は1番人気という縛りがあったので、配当金も落ち着いた金額になりましたが、実際は全出走馬の出来具合と調教等の動きで、最終的にどの馬にするかを決めた方がいいかと。
あとは自分でよく予想・検討することが大事ですね。
参考
複勝コロガシとは?1000円投資で5倍以上を目指す馬券戦略
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まとめ
以上「地方競馬で儲かる方法を探るー複勝馬券転がし」についてご紹介しました。
今回の記事をまとめると、以下のとおりとなります。
1コースが勝ちやすい競艇場
・荒れることの少ない地方競馬だからこそ、馬券転がしが有効である。
・馬券の中でも、3着までに入れば的中で、他馬を気にしなくていい複勝がうってつけ。
・馬券転がしで失敗して利益を溶かしても、元金自体は減っていないので、最小被害で済む。
・ただし当て続けないと利益が出ないので、きちんと予想をすることが大事。
・自信がなければ無理にレースに参加せず、スルーすることも必要。
・一定の利益がでたら、その利益を確保しておき、また最初から転がすこと。欲をかくな!
こうして見てみると、手堅く利益を確保したい人や、馬券であまり冒険をしたくない人には、こうしたやり方が有効ではないかと考えられます。
先程紹介した赤木駿介氏も、馬券であくせくするのが嫌になったみたいで、それまでの馬券の買い方が枠連主体だったのを、単複主体に変えたとか。
すると安心して競馬を見られるようになったそうで、馬券でハズレたストレスもなくなって、競馬を楽しく見られるようになったそうです。
やはり連勝式の馬券を買っていると、自分が狙った馬以外にも、ヒモの馬も馬券の対象にならなければハズレですので、気が気でないですよね。
また、儲けをそのまま注ぎ込むわけですから、元金自体が減らないというのもいいですね。
実はこれによって資金の節約にもつながっていますし。
元金をせっせと馬券に注ぎ込むやり方もアリかとは思いますが、一方でこうした馬券の買い方・楽しみ方もあるということがおわかりいただければと思います。
複勝馬券転がし…みなさまもぜひ一度お試しあれ!